大宝元年[701]に制定され、養老2年[718]に改撰せられた衣服令制の文官の大礼服で、朝賀、即位の儀式のみに用いられる。中国の唐代の服制に依ったものであるが、その伝承は漢代にいたっている。
これは諸臣正従2位の服装で、冠は玉をちりばめ、金麟を正面にかざり、上衣は浅紫の織文様のある大袖に筒袖の内衣を重ねて右衽(みぎまえ)とし、白の袴に深縹(こきはなだ)の紗の褶(うわも)を腰にまとって條帯をしめ、中央に綬を垂れ、左脇には短綬をつけ、右脇に玉佩(ごくはい)を吊して綿の襪(しとうず)に烏皮(くろかわのくつ)をはく。さらに唐大刀を綺帯(かむはたのおび)で佩びて牙の笏を持っている。
御即位の式服には、孝明天皇までその間多少の変化はあったが、この形式が用いられていた。 |