挂甲(けいこう)は日本固有の短甲と異り、中国大陸より朝鮮半島を経て日本へ伝来されたものだ。古墳文化の時代に於いては短甲ととものあわせ用いられている。挂甲の主材は小札(こざね)と呼ばれる小片に裁断された鉄、または銅板を革や組紐で綴って構成され、それに袖、草摺がつき、籠手が附属している。この姿は埴輪や発掘品により想定復原したもので、環頭の大刀を佩び、胡(やなぐい)を負っている。
また挂甲とともに用いられる兜は眉庇(まびさし)付冑といわれ、ここでは千葉県上総君津郡清川村祇園出土の金銅装竪矧(こんどうそうたてはぎ)、細板鋲留眉付冑(ほそいたびょうどめまびさしつきかぶと)を模して製作したものを用いた。 |