風俗博物館
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視点を変えてみる「春の御殿」
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女房の日常〜冊子作り〜
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六條院拝見

視点を変えてみる「春の御殿」

喪(「藤袴」より)


東の対の母屋  玉鬘、女房たち
東の対の東廂  夕霧
東の対の北廂  女房たち
喪に服している玉鬘のために、部屋の室礼の全てが喪にふさわしいものとなった。母屋の中心に置かれた御帳台(みちょうだい)を始め、几帳(きちょう)、御簾(みす)、調度類の全てが純色とされ、女房をはじめ喪に服する者の衣裳もすべて純色・萱草色となった。

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各々の番号から見た「春の御殿」の様子です。
(1)
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女房達は練り香を作っている。様々な香料を好みによって配合し、丸め、オリジナルの香を作っていた。当時の教養の一つである。
(2)
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翁はお爺さん、媼はお婆さんのことである。老人の衣裳は通常の衣裳に比べて、規範はより緩やかになっていただろうと思われる。
(3)
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御帳台が喪にふさわしい様に、帳を鈍色の布に変えている。全体的に通常の室礼と違った雰囲気が伺える。
(4)
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女房が座っているのは孫廂。巻き上げられた御簾の縁や帽額、几帳には鈍色の布が使われている。
(5)
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廂(ひさし)に座し、御簾越しに母屋に座す玉鬘と対面している夕霧は、同じく大宮の喪に服している。片手に藤袴の一枝。「藤袴」の一場面である。
(6)
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女房が着ているのは薄鈍色の袿。履いているのは萱草色の袴。萱草色は服喪中に着る凶色とされていた。
(7)
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長櫃から常の衣裳を出している女房は、薄い鈍色の袿を着ている。鈍色は今のグレー。
(8)
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服喪中ということで、女房は薄い鈍色の袿に、萓草色の袴を履いている。畳の縁も鈍色である。
(9)
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衣を畳んでいる女房が着ているのは鈍色の袿。衣の色の濃い・薄いで、死者との親疎や服喪の期間を表わした。
(10)
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写真の右手奥で御簾の前に座る玉鬘は、御簾越しに夕霧と対面している。大宮の喪に服している女主人(玉鬘)にならって、手前の女房も喪に服している。
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衣に焚きしめる香は「薫物」と呼ばれ、必需品であった。個人で香料の配合が違い、秘伝の調合法が代々伝えられたほどである。
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翁と媼が座す畳は喪にふさわしく縁に鈍色の布を使っている。調度類も全て墨色のものが使われている。調度類は媼側から二階棚、二階厨子である。
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女房が座っているのは孫廂。巻き上げられた御簾の縁や帽額、几帳には鈍色の布が使われている。
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御帳台の中から女房の背面を捉える。一番手前に茵の縁が映る。左手の几帳、御簾の帽額も、また女房の衣も色が薄いが鈍色である。



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