2002年7月17日 小雨の中の山鉾巡行
新町通りは御池通りで勢ぞろいした32基の山鉾が
それぞれの鉾町へと帰っていくために通る 通り
この“お帰り”を家の2階の窓から見るのが京都らしい祇園祭の楽しみ方だ
2階の新町通りに面した壁は大部分が続き窓になっていて
全ての窓をはずすと立派な見物席となる
新町通り は細い
この通りを鉾はギシギシときしみながらやってくる
手をのばせば届きそうなくらいの距離で鉾が動き、止まる
その度に鉾は大きく揺らぎ音を立て
大通りで見るときには感じられない 勢いや激しさを感じさせる
下を見れば誇らしげな面持ちの音頭取り
目の前には一列に並んで笛を吹き、鉦をたたく囃子方
団扇や扇子を片手に拍手で鉾を迎え、「お帰り」と声をかけ 手を振りあう
今は鉾から厄除けの粽を投げてもらうことは禁止されてしまったが
それがあればどんなにか楽しいだろう
“お帰り”はちょうどお昼時
鉾と鉾の進行の合間を縫って
階下に降りて素麺をすすり、歓声を聞いて慌てて2階へ引き返す
こんなことをごく当たり前に、町内の鉾である「放下鉾」が帰ってくるまで繰り返す
お待ちかねの放下鉾
鉾の上で稚児人形が稚児舞を披露し
一段と大きくなった拍手の中、会所(蔵)へと進む
ひときわ力を込めて演奏されるお囃子、迎えるフィナーレ
慌てて外に飛びだし、嬉しく誇らしい気持ちで鉾を迎える
祇園祭は今ではすっかり観光化しているが、やはり京都に根づいている町衆の祭だ
大通りでの見物とは違う、これぞ本当の祇園祭の楽しみ方だろう
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