登場人物の関係図・六條院拝見・風俗博物館～よみがえる源氏物語の世界～

●六條院とは
●光源氏の邸宅を訪ねる
●登場人物の関係図
●源氏物語の舞台を歩く
●視点を変えてみる「春の御殿」

縄文・弥生・古墳・飛鳥・奈良
平安	鎌倉・室町・安土桃山
江戸	明治・大正・昭和前期

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	【桐壺院】光源氏の父。桐壺更衣を溺愛、周りの嫉妬から更衣を病死させてしまう。更衣に酷似する藤壺を入内させ、寵愛する。藤壺所生の皇子（実は源氏の子）を皇太子に、藤壺を皇后にする。崩御後の霊は、源氏の危に救いの手を差し伸べる。
	【藤壷】先帝の四の宮。亡き桐壺更衣に酷似するといわれ、入内する。幼い源氏に母親のように慕われるが、源氏の思慕はいつしか恋情に変ってゆく。逢瀬の後、やがて懐妊出産する。桐壺院崩御後、東宮を守り源氏を後見者とするために自らは出家の道を選ぶ賢明さには、政治家としての資質を窺うことができる。その生涯は、栄華と同時に憂愁の日々でもあった。
	【朱雀院】桐壺院の第一皇子。母は弘徽殿大后。光源氏の三歳上の兄。右大臣方の権勢を背景に立太子する。冷泉院の支援と源氏の重用を考えながらも、元来の気弱で柔和な性格から右大臣家に遠慮し、実行できない。源氏の資質を認め、自分は敗者であることを帝王でありながら認めている。
	【光源氏】桐壺院の第二皇子。母は桐壺更衣。超越的な美質と才能を持った絶対的な存在として描かれる物語の主人公。義母藤壺への実らぬ恋は、その面影を伝える紫上を引き取ることで慰められる。朧月夜との密会の露見から須磨へ退居、そこで出会った明石君との間には姫君が誕生し、その姫君は東宮妃さらに中宮となる。六條院落成後、准太上天皇という地位を極め、栄耀栄華の人生を送る。
	【今上（冷泉院）】桐壺院の第十皇子。実は源氏と藤壺の子。夜居の僧都の奏上により真実を知る。そして源氏に准太上天皇という地位を贈り、朱雀院と共に六條院へ行幸する。この厚遇は、源氏に特別大きな繁栄をもたらす要因でもあった。
	【東宮】朱雀院の皇子。母は承香殿女御。冷泉院の即位と共に三歳で東宮に立つ。十三歳で元服し源氏の娘、明石姫君を迎える。二十歳で即位するとともに明石姫君との間の第一皇子を東宮に立てる。朱雀院の願いから、女三宮の後見人としての役割を果たす。
	【大宮】左大臣北の方。桐壺院と同腹の妹。太政大臣（頭中将）・葵上の母。孫の夕霧と雲井雁との恋を見守ったり、源氏と太政大臣との仲立ちをしたり、一族の円満な和を育むための役割を果たしている。
	【太政大臣】左大臣の長男。母は大宮。柏木と雲井雁の父。源氏の正妻葵上は、同腹の妹であることから源氏とは特に親しい間柄であった。絶対的存在の源氏に対して、青年の頃より学問や音楽また恋の相手にと常に対抗心を燃やす良きライバルであり、その子だくさんを源氏は羨んでいた。政治家としての手腕に秀で、和琴の名手でもあった。
	【葵上】左大臣と大宮のひとり娘。父大臣の勧めにより光源氏と結婚するが、気位の高さから打ち解けられない夫婦関係が続く。長男夕霧出産後、物の怪によって死去する。死の間際になり、ようやく源氏と心を通わせることができる。
	【夕霧】光源氏の長男。母葵上とは、誕生と共に死別。源氏の厳しい教育方針から、元服後、位を六位にとどめられ勉学に励む。常に秩序と良識を重んじ、源氏やそれをめぐる人々を客観的視野によって凝視する。
	【紫上】式部卿宮の娘。母按察大納言の娘とは幼くして死別。藤壺の姪。源氏に引き取られることによって、栄耀を手に入れる反面、晩年には苦しみこそがわが生きる支えという程、過酷な人生でもあった。六條院の秩序は紫上の忍従の上に成り立っていたといえよう。ついに源氏に見守られる中、露の消えるように世を去る。
	【明石君】明石入道のひとり娘。父入道の予知夢に従い、退居中の源氏と結婚、姫君をもうける。源氏帰京後は、常に身の程をわきまえた態度をとり続け苦渋の日々も送るが、やがて六條院冬の町の主として迎えられる。厳しい自己抑制によって、予知夢通りの幸運な人生を手にする。
	【明石姫君】光源氏と明石君の娘。娘が中宮になると宿曜により予言されていた源氏の計らいから、それに相応しい環境で養育させるために三歳の時より紫上の養女として育てられる。後に東宮に入内し懐妊、中宮となる。明石一族の繁栄を実現させ、源氏の栄華をも支えることになる。
	【柏木】太政大臣の息。母は元右大臣四の君。女三宮が光源氏に降嫁した後もその人を諦められない憂悶の恋慕の中、六條院の蹴鞠の日、偶然に宮の姿を垣間見る。思慕の念からついに逢瀬を遂げるが、源氏に対する恐惶から泡の消えるように世を去る。
	【雲井雁】太政大臣の外腹の娘。祖母大宮のもとで夕霧と共に育てられる。夕霧への幼い恋心は、父太政大臣の思惑とは異なり一時はその仲を裂かれるが、やがて結婚も許され多くの子供に囲まれた、幸せな家庭人となる。