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牛車とは
牛車の種類
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牛車で清水詣へ出かけよう

牛車の種類


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唐車(からぐるま)
屋根が唐破風(からはふ)なのでその名がある。屋根は檳椰樹(びんろうじゅ)の葉で葺(ふ)かれており、廂(ひさし)と腰(こし)にも檳椰樹の葉を用いる。上皇・皇后・東宮(とうぐう)・親王(しんのう)、または摂関(せっかん)などが用いる大型の牛車。

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糸毛車(いとげくるま)
絹の縒糸(よりいと)で屋形全体を覆い、その上から金銀の 文を飾った車。内親王(ないしんのう)、三位以上の内命婦(うちのみょうぶ)などの身分の高い女性が用いた。東宮(とうぐう)が使用することもある。

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半蔀車(はじとみぐるま)
屋形の横にある物見窓(ものみまど)が、引き戸ではなく、上に押し上げる半蔀戸になっていることによる名称。屋形そのものは檜の薄い板を編んでおり、いわゆる網代車(あじろぐるま)の一種である。上皇・親王・摂関、大臣のほか、高僧や女房が用いることもある。

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八葉車(はちようくるま)
網代車(あじろぐるま)の屋形や袖に八つの葉の装飾文様(八曜とも)をつけたもの。文様の大小により、大八葉車とか小八曜車などがある。前者は親王や公卿、高位の僧が用い、後者は少納言・外記(げき)などの中流貴族、女房(にょうぼう)などが乗車した。

『故実叢書』「輿車圖考」版本(井筒家蔵)


牛車(ぎっしゃ)の乗り方・降り方
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乗り方
牛車の乗降に際しては作法があった。『源平盛衰記』によると、木曽の山中に生まれた源義仲は、都で乗り慣れぬ牛車から降りる際、後ろから降りようとして、雑色(ぞうしき)に「車は後ろから乗り、前に降りるものです」といわれたのを、無視して後ろから降りてしまったので、京中の人々の笑いものになったという。

寝殿から車に乗るときは、中門廊の車寄(くるまよせ)に、牛をはずした車を後ろ向きに引き込む。車寄は廊の妻戸(つまど)に面しているので、妻戸を開けて牛車の後方から乗り込むのである。榻(しじ)という四脚の台を踏み台にして、車体の入口から外側へ付き出た踏板とよばれるステップに足を乗せる。横に立つ役の者が、入口に懸かった御簾(みす)をかかげてくれるので、その下をくぐって乗り込むのである。対(たい)の屋(や)の妻戸の前に、直接牛車を寄せて乗ることもある。

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降り方

降りるときは、ふつうは前から降りる。まず車から牛を放ち、自分で前の御簾を巻き上げると、役人が車の前に突き出した前板というステップに履き物を置いてくれる。車が揺れるので両袖の傍建(ほうだて)という添え木に手を懸(か)けて履き物を履き、前の轅の間に置かれた榻を踏み台にして地面に降りるのである。

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