◆御帳台(みちょうだい)
寝殿(しんでん)の母屋(もや)にすえる天蓋付(てんがいつ)きのベッド。本来 は座臥のための施設であったが、のちには権威の象徴となった。皇后などの場合には、浜床( はまゆか)と いう黒漆の台を置くが、ふつうには板敷きの上 に、繧繝縁(うんげんべり)の畳二帖を並べて敷き、四隅に柱を 立て、その上に、白絹張(きぬばり)の明障子 (あかりしょうじ)をのせる。四隅と前後左右正面に帳(とばり)を垂らし、上部四方の外側に帽額(もこう)(横幅の裂)をめぐらす。帳の中は、日中は三方に几帳(きちょう)を立て、その高さまで帳を巻き 上げる。畳の上には、中敷の畳・表筵(おもてむしろ)・龍鬢地鋪(りゅうびんぢしき)・茵(しとね)を重ねる。前面の左右の柱には、水気除けに犀(さい)の角または木で作られた角形をかけ、 後方の左 右の柱には、魔除けの八稜鏡(はちりょうきょう)をかけた。
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