旧暦五月は悪月とされた。梅雨前の疫病流行の恐怖によろう。菖蒲や艾によって邪気を祓うが、古代に淵源する習俗を基底にもつ。
室礼として習慣化した薬玉も薬草による除災を願ってのもの。菖蒲葺、菖蒲枕、菖蒲酒、菖蒲湯も辟邪による。 端午の節供が男子の節供として定まるのは江戸時代。中世の菖蒲でつくった菖蒲兜を祖形として、檜細工の兜があらわれ、のち武者人形などが登場した。