247. 源氏物語屏風 220×65 屏風234×76 江戸中期
やや大きめの「雛屏風」と呼ぶべき寸法ながら、確かな画技で『源氏物語』の二場面を描く。
一隻は「澪標」(十四帖)、他は「若菜(下)」(三十五帖)。
『源氏・・』の展開からは右に「澪標」、左に「若菜(下)」を配置することになろうか。
「澪標」では住吉参詣の場面が描かれる。一扇に明石の君の舟。二扇に従者。三扇に牛車と随行の人々。
四扇に「澪標」を象徴する場面である硯をもつ惟光と源氏。五扇に供の武官。六扇に住吉社の鳥居と太鼓橋。
対をなす「若菜(下)」では新春の六条院での女宴の場面。一扇と二扇は牛車と従者。
三・四扇目は楽奏する女官と源氏の孫君たち。四扇に箏を調弦する夕霧。五扇は御簾の内で、琵琶を弾く明石の君、琴を奏す女三宮と箏の直衣姿の源氏。六扇目の簀子縁には公達。
なお、この二場面に共通するのは住吉社への信仰である。
源氏は、六条院での女宴が催される前年に、自らの栄華に感謝して住吉社に参詣している。
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